概要
あの世の世界の仕組みや構造を説明している説はあまたある。
有名なものの一つに、18世紀にスエデンボルグという人がいた。彼の死後に公になった「霊界日記」には臨死体験的な経験をもとにあの世の世界の構造を説明している。
もちろん、これまでに数多くのチャネラーや霊能者および臨死体験者があの世を様子を手記に残しているが、それらは精度はいかほどのものなのか?
そもそも私たちは彼らの言うことや体験を信じるしかないのか?
現状
チャネラーや霊能者および臨死体験者が述べるあの世の構造には概ね共通点がある。
- この世で亡くなった人を受け入れる箇所(施設)がある。
- 上から下まで霊格の差による階層構造になっている(あるレベルまでの階層までが天国的で、それ以下の階層が地獄的である)
- 同じような信仰や思考を持った者同士が集まった世界である(他の世界に行くことはできない)
- この世と同じように山、川、海、大地などの自然環境がある。
- 原則、この世とは関わりを持つことができない。
- 思ったことが即時現実化する世界のため、何でも必要なものはすぐに手に入る
- テレパシーでコミュニケーションするためお互いにウソがつけない。
- 食べたり(もちろん排泄も)、眠る必要がなく、ほぼ毎日同じことを繰り返す。
- 時間の概念はあるが、この世の時間経過速度とは同期していないし、希薄である。
- やがて、この世に生まれることになる(その際、この世の計画を立てるための相談役や指導者がいる)
このような共通点があると、何となくあの世の世界はそうなのかなぁ。思い込まされてくる。
それに、地獄的な世界は別としてそこそこ、普通の暮らしができそうでそう悪い世界でもなさそうだ。
事実
チャネラーや霊能者および臨死体験者の話しからでしか、あの世を知ることができない悲しい現実。
チャネラーや霊能者および臨死体験者が何を語ろうともあの世の世界を立証することは不可能であるという事実。
そして、上記に述べたようにあの世の共通点の主な原因は真実ではなく、パクリの可能性も大きい。
この厳然たる事実の前に、いくら霊能者や臨死体験者の話が数限りなくあっても、客観的な検証ができない限り単なるお話のレベルを超えることはできない。
その証拠に、人類の歴史とともにあの世を語る神話や伝説や宗教に限りがないが、現代においてもまったく未知の世界であり、自然科学のように歴史とともに発展すると言う要素が全くないジャンルなのである。
つまり、人類にとってあの世を解明することは残念ながら不可能だと断言してもよいのだ。
仮説
あの世の構造や仕組みは、今後も未来永劫、今のような体験談のような話が語り継がれていくだけの繰り返しとなるだろう。
ただし、唯一の望みは人が悟ることによってその謎を解明することが出来るのかも知れない。ゴーダマ仏陀やヨーガの聖者のように。
しかし、人の悟りはほぼあり得ない現代である。この世とあの世はこれからも永きにわたってお互いにわからない関係が続いていくのだろう。
そしていつの時代でも、今のスピリチュアルの空想のあの世の世界に甘んじるしかないのである。
何ともくやしい、やるせないものである。
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