概要
スピリチュアルは、ズバリ大人気だ。
スピリチュアルには様々な分野があるが、例外なく迷信的、非現実的であることも厳粛な事実だ。
その迷信的、非現実的な世界の入口に多くの人が惹かれていく。
その心理を自分の経験をもとに一例として紹介する。
現状
この世の人生は、楽しいこともあるがほとんどは苦しいことばかりだ。
ゴーダマ仏陀が喝破した通りである。
だから、人生は不満だらけで、万人共通して幸福を探し、幸せになりたいと願う。
では幸せになるためにはどうしたらいいのか?
忙しいから苦しいことや面倒なことは嫌だから、お手軽な方法がありがたい。
この世の真っ当な方法は、努力が必要で、面倒なものばかりだから敬遠する。
そこで、スピリチュアルの世界を覗けば、甘いことば、お手軽な手法が満載である。
もう一つ、社会や家庭では自分を中々評価してくれないと感じることも多い。
もっと自分を認めてもらいたい。慰めてもらいたいという要求が誰にもくすぐっている。
そこで、スピリチュアルの世界を覗けば、自分のオーラ、前世、潜在意識などのお話が心を癒してくれる。
あなたは、本当は素晴らしい、良い人なんだよってね(笑)
要するに、多くの人の普通の要求をスピリチュアルの世界は望む通り用意して待ってくれているのだ。
まさに、需要と供給の関係だね。
事実
スピリチュアルの世界は、供給(窓口)を設ければそれなりに人が集まる。
特に日本は一応自由国家だからどんな宗教や世界観、または手法を掲げても問題はない。
さらに、スピリチュアルの開店(?)には資格も申請も必要なし。
本屋に行けば、溢れるばかりのスピ系の本があるし、ネットで検索すれば容易にスピ系のサイトにたどり着く。
ある意味、何の規制もないため危険な面もあるが、幸いにもスピリチュアルで何か大きな詐欺事件や殺傷事件が発生することはほとんどない。
それは、スピリチュアルは人の希望や欲望を癒すためのサービス業だから。
スピリチュアルの真偽はさておき、顧客が満足するサービスを提供して報酬を得る以上、お客様は大切にしないといけない。
仮説
スピリチュアルの世界が繁栄している原因は、安易な現実からの逃避や幸せを望む私たちが大勢いるからなのだ。
したがって、私たちはスピリチュアル供給者に踊らせているのではなく、私たちの多くが安易にスピリチュアルを求めている側面が強いように思う。
スピリチュアルのコンテンツも、お店を開けばお客が集まってくるわけだから玉石混合になってしまうのも無理はない。
「さよならスピリチュアル」はスピリチュアルの矛盾や問題点を批判するだけではなく、私たちの安易に幸せや癒しを求める弱い心も批判するのである。
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