概要
カードやコイン又は筮竹を無作為に選び、そこに何か神秘的なメッセージが込められているから、それを読み解くというのが、タロットや易占いの原理だ。
このランダムの神秘性についてその正体を暴く。
現状
カード占いと易を今回は対象としたが、ランダムに何かを選ぶことによる占いは全て同じである。
数学の世界では、ランダムに選ぶ結果は確率論で説明され、そこには神秘性という概念や要素はない。
ところが、人はこのランダムに選んだ結果がなぜこうなのか?という問いかけを満足させるために、きっと何か深い意味があるとこじ付けをする。
しかし、ランダムに結果が出ることは、単純で大きな問題がある。
それは、ランダムなので占う度に異なる結果が発生すること。
ランダムに選択するのだから当然だ。それは確率論に従って結果が発生する。
そこで、占いは最初の1回の結果を信じろという。
最初の結果がなぜ正しいと言えるのだろう?
といいながら、数日後にはまた同じ占いをしてもよいのだ。
それは、また数日後によって状況が変わり、未来が変わっているからだと。
まさにお笑いである。数日とか数時間とかその間隔にどのような根拠があるのか?
また、数日後に未来が変わる可能性があるのであれば、数日前の占いによる未来の予測は意味がないものではないだろうか?
このような単純にだれでもわかる疑問に対してまったく説明がない。
このように、カードや易占いは、子供でもわかるような単純な矛盾を平気でスルーしたものなのだ。
ただただ、カードの意味や易の組み合わせの意味の解説ばかりに終始するのである。
事実
上記の現状内で述べた素朴な疑問に答えられないのは、答えられないからだ。
不都合なことには蓋をして、商売をしている。
一方、そんな占いを信じて自分で占ったり、占い師にみてもらったりしている人は多い。
多くの人が占いを無条件に信じていて、根本的な矛盾点をあえて目を反らしている。
だから、需要と供給が成り立ち占いのビジネスモデルが成立しているのだ。
したがって、占いで商売する側もそのクライアントともに同じ穴のムジナであり、どちらも文句は言えないのだ。
仮説
ランダムに選ぶことが、実は意識しない何かの導きなのだという発想は、未知のものを勝手に自分の都合のよいように解釈する典型的な心理の一つである。
私たち一般人は、実は何もかも科学的に理論的に正しい理論を求めているわけではなく、自分たちがコントロールできないような現象にはすぐに神秘的なものを結びつけてしまう。
日々の生活の中で様々なストレスや障害、不満が程度の差はあれあることが普通である。
そうしたことを安易に占いによって癒される、安心したいという弱い心が人を占いに誘うのだ。
占いは、決して人の未来を予測できるものではないし、幸せにするものでもない。
なぜなら、占いの根底にあるのは常に人の欲望を満たすための都合のいい迷信だからである。
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