概要
スピリチュアルでは人の生まれ変わりは当然あるという前提で扱われている。
しかし、生まれ変わりの目的や仕組みについては、あまり深くは追求せずに人の過去世の事例を多く紹介する傾向が一般的だ。
仏教でいう、輪廻転生はその理由と仕組みには諸説あるが、本ブログでは、世界宗教は扱わないポリシーのため仏教の輪廻転生については触れない。
ここでは、スピリチュアルでの生まれ変わりの考え方について考察してみよう。
現状
スピリチュアルの世界では判で押したように、生まれ変わりの目的は人生経験を通じての魂の進化であるという。
何度も生まれ変わって人生を経験して人の魂は進化するのだそうだ。
この生まれ変わりについて素朴な疑問を呈したい。
疑問は以下の通り。
- 生まれ変わりの始めはいつか?
- 生まれ変わりに終わりはあるのか?
- 微生物から始まって、動物や植物を経て人間に生まれ変わるのか?
- 今の人間以外の生命体は、生まれ変わりを繰り返して将来人間に生まれるのか?
- なぜ、現在、微生物から人間まであらゆる生命が同時に存在するのか(なぜ、目の前のポチは犬であり、私は人間なのか?)
- なぜ、進化する必要があるのか?
等々、まだまだたくさんあるが、きりが無いのでこの程度にしておく。
事実
疑問1.2.は、スピ系の本で解説されたものに出会ったことがない。
ある高尚な霊が、「あなたはXXX回も生まれ変わっています」というシーンはスピ系の本にはよく登場する。なんと多くの人生を繰り返しているのか!と感じるだろう。
しかし、回数にあまり意味はない。
まず1回目に生まれたときは何だったのか? 微生物?動物?それともいきなり人間?
が、そんな説明はないのだ。
また、生まれ変わりに終わりがあるなら、終わる条件は何だろう?
進化が終わったから?ではないだろう。進化に終わりはないから。
疑問3.4.は、生命とは何かという命題だが、さすがにスピリチュアルでは手に負えないようだ。
そのため、この件に関してもスピ系の本で解説されたものに出会ったことがない。
疑問5.は、色々なレベルの生命が同時に存在するということは、生まれ変わりの始まりや進化の速度が異なるためかも知れないが、”何” が生まれ変わりを先にスタートしたり遅らせるのだろう?
そもそも、その “何” とは何だろう?これもスピリチュアルではわからないよね(笑)
疑問6.は、進化そのものへの疑問である。進化とは未来になればなるほど、よりよくなることだろう。
だとすれば、生命の始まりは進化前の状態だからダメダメ状態だったのだろうか?
そうすると宇宙を創生したのは生命ではないことなる。創造主は生命ではないのか?
また、生命は生まれ変わりを繰り返すことで、本当に進化しているのだろうか?
微生物や虫たちや動物の生き方を繰り返して本当に進化があるのだろうか?
人間の人生も、何度も同じ失敗を繰り返して生まれ変わるという説はスピリチュアルには多く見られる。人も生まれ変わりによって進化していないのかも知れない。
仮説
生まれ変わりには、疑問、疑問、疑問だらけで何一つ明確な答えはスピリチュアルでは得られないのである。
人の進化のためという暗黙の大前提のもと、過去世を思い出したというような出来事を取り上げて論評しているものばかりだ。
きっと、生まれ変わりについては、ゴーダマ仏陀やイエスなどの世界的聖者しかその実態はわからないのだろう。
つまり、生まれ変わりの目的は謎であり、その実態を知るには悟りに至るしかないというわけだ。
とてもじゃないが、生まれ変わりはスピリチュアルで扱える問題ではないことを認識しておいた方がよいと思う。
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